看護師の活躍の場は、民間に向けた医療機関だけではありません。自衛隊駐屯地および基地や刑務所、港や空港にある検疫所などでも活躍しています。今回はその中から、自衛隊駐屯地で働く看護師の働き方について解説していきます。
自衛隊で働く看護師には、「自衛官看護師」と「技官看護師」の2種類があります。自衛官看護師は、自衛官としての身分を持ち、看護業務だけでなく射撃・戦闘訓練を重ね、自衛官としての任務も担います。看護業務と自衛官の任務を受け持つ形になるため、体力と精神力、忍耐力が求められます。災害派遣や国際的な援助活動にも従事する場合もあり、変化に順応できる能力も求められるでしょう。また、自衛官看護師は、自衛官という立場であり、自衛隊独自の階級が与えられます。階級は、昇任試験に合格することで昇格することができます。
一方、技官看護師は「防衛技官看護師」とも呼ばれ、国家公務員として自衛隊病院や防衛医科大学病院、駐屯地・基地の医務室にて看護業務を行います。自衛官看護師のように、自衛官としての訓練はなく、看護業務がメインとなります。被災地や海外への派遣に参加することもありません。技官看護師は自衛官ではないため階級もなく、自衛隊に関連する医療機関で勤務するのが特徴です。
自衛官看護師と技官看護師は、どちらも自衛隊の医療を支える重要な存在です。自衛官看護師は、肉体的にも精神的にも鍛えられ、自衛隊および看護師として、そして人としても大きく成長できる仕事です。技官看護師は、自衛隊関係者や一般の患者さんに対し、専門知識とスキルを活かして働くことが可能です。どちらの働き方が自分に合っているのか、しっかりと考えてから選択しましょう。